ものづくりって本当に疲弊する…
工場や実際にあるものを売っているリアルビジネスの経営者から、よくそのような声が耳に入ってきます
製造から販売まで…
在庫を抱えているからこその問題が多くあり、どうやっていい方向に持って行こうと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
今回はそんなものづくりの新しい形を作り上げアパレル業界の古い常識を覆した、ファクトリエ代表の山田敏夫さんに、「ものづくり」から広がる様々なテーマについて話していただきました
山田さんの著書『ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命』をもとに
- ものづくりで意識していること
- ものづくりの経営論
- 常識にとらわれない発想力の付け方
- 一歩踏み出すきっかけをつくる方法
などを話していただいて、どれも濃い内容だったのでレポートとして残したいと思います
目次
- 1 ファクトリエ代表・山田敏夫さんとは?
- 2 グッチ・パリ店の初日にスリに遭って全財産を失った
- 3 ファクトリエの最初でクラウドファウンディング100万円達成するも…
- 4 日本国内生産比率はわずか2.4%の洋服産業
- 5 商品は値段が高くても価値をつけることが大事
- 6 ファクトリエのラベルに工場名を掲載することで誇りを持たせる
- 7 失敗から学んだファクトリエのチームづくりの方法
- 8 ファクトリエ山田さんの心が折れそうな時に考えたこと
- 9 ファクトリエは100年単位で洋服産業の価値基準を変えていく
- 10 ファクトリエ山田さんが考える「やるリスク」「やらないリスク」
- 11 ファクトリエ山田さんが思う「簡単に儲かろうと考えすぎ」
- 12 「行動を起こすことは必ず自分を強くする」ファクトリエ山田さんの言葉が突き刺さる
ファクトリエ代表・山田敏夫さんとは?
ファクトリエ代表/ライフスタイルアクセント株式会社代表取締役
大学在学中、フランスへ留学しグッチパリ店で勤務
卒業後、ソフトバンク・ヒューマンキャピタルへ入社
2010年に東京ガールズコレクションの公式通販サイトを運営するファッションウォーカー(現株式会社ファッション・コ・ラボ)へ転職し、社長直轄の事業開発部にて、最先端のファッションビジネスを経験
2012年、ライフスタイルアクセントを設立
2014年中小企業基盤整備機構と日経BP社との連携事業「新ジャパンメイド企画」審査員に就任
2015年経済産業省「平成26年度製造基盤技術実態等調査事業(我が国繊維産地企業の商品開発・販路開拓の在り方に関する調査事業)」を受託
年間訪れるモノづくりの現場は100を超える
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グッチ・パリ店の初日にスリに遭って全財産を失った
(photo by@taity_k))
山田さんは20代のころ、パリに留学していました
そしてその初日にスリに遭って全財産を失ったのだとか…
不器用の星の下に生まれたと
そして全財産を失って稼がなければ…となってグッチパリ店で勤務をしていたときに
「どうして日本には本物のブランドがないんだ?」
と聞かれました
そして、この一言でハッとし、日本で作られた本物のブランドを作りたいと思ったんだそうです
これがファクトリエの始まりです
ファクトリエの最初でクラウドファウンディング100万円達成するも…
キャンプファイアーで2012年に100万円集まったけど、終了してから全く売れなかった。蓋を開けてみると買っているのは全員知り合いだった。
200枚を売り切ったのはシャツの着こなしセミナーを無料でやってから。それでも買ってくれる人はごくわずか。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
ファクトリエの最初の製品は5000円のシャツだったそうです
「いける!」と思ったけど、実際は全く売れないく、プロジェクターに映し出されたアパートに抱える在庫の写真はかなりリアル…
スタートアップのリアルを見た気がしました
日本国内生産比率はわずか2.4%の洋服産業
誰も作り手には興味ないため、日本のアパレル国産比率はわずか2%
日本でやってる”ものづくり”ってだいたい下請けが作ってる。
下請け→赤字→若手不足→やる気低下
この負のサイクルが止まらない。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
この負のサイクルが回っていることは、今日のきょうまで全く知りませんでした
洋服を買うのは見た目と値段だけ
“日本のアパレル国産比率は絶滅危惧種”
“誰も作り手に興味がない”
この言葉を見ると、かなり効き的な状況にありますよね
アパレル業界の現状を知るだけでも、洋服に対する見方がかなり変わったなと思いました
そして、なぜ洋服を作っている人が下なのか…と言うことにも疑問を
プロデュースする側がやはり強くなってしまうという構造上の問題をファクトリエの山田さんは解消していきたいと何度も言っていました
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商品は値段が高くても価値をつけることが大事
【価値作りが大事】
対局はコストオフ。アイデアとか価値を作る方が大事。セールしないで1万円のものを1万円で売る方が大変。値段高くてもその分の価値をつけていかないと、ポジティブじゃない。値下げ競争はよくない。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
【既存流通とファクトリエの差】
既存流通の中間業者の多さよ、、、
これは工場に利益残らないや。ファクトリエは無店舗でインターネット販売のみ。
作り手(工場)に対してフェアでいるという思想。透明性のある取り組み。#朝渋 #ものがたりのあるものづくり pic.twitter.com/FGAgr08rDa— 稲垣佑樹@動画クリエイタ〜🚀 (@Yuki56ee) 2018年12月10日
「つくり手の想いで買う」という新しい価値基準に挑戦しているのがファクトリエです
- 直販
- 無店舗
この2点を徹底することで、高品質でもそこまで高くつかないようにしているそうです
ファクトリエはとにかく
- アイデア
- 価値づくり
に最も重きを置いています
20%off などの値下げは数字をいじればできることです
でも、1万円のものをそのままの値段を売るとしたら、1万円以上の価値をつけなければ売れません
値引きしないで売ることのほうが大変なのです
直販・無店舗にすることで販売価格を抑えて原価率を上げることで、お客さんに本当の価値を伝え続けていると山田さんは言っていました
ファクトリエのラベルに工場名を掲載することで誇りを持たせる
【地方・工場がついた工場ブランド】
自分たちの名前が表に出るたけで工場が誇りを持ってくれた。価格は工場が決定する。工場がただの作業ではなく、考えながら作業すると切り替えないと、日本の産業は生き残れない。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
「作り手」を見せるのは業界の中でタブーだったそうです
でもファクトリエは作り手の想いを届ける
そのために、工場の名前を前に出すことで、工場は誇りを取り戻すことができました
工場を下請けと捉えるのではなく、一人の人間として大切に扱っているなと山田さんの話からところどころ垣間見ることができました
単純作業はやりたくない
でも、考えるって作業はみんなやりたい
考えて商品を作ってもらうことで、価値をつけていくようにすることが、山田さん流のものづくりの考えです
失敗から学んだファクトリエのチームづくりの方法
チームづくり -火の伝播-
全国55店舗撤退など失敗の連続が起きると、人がどんどん抜けて行くことを実感した。自己資本で銀行借り入れしていると、一発でダメになったりする。コアメンバーがたくさん抜けて、改めてチームの意味を考え直した。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
横浜店の撤退、海外の詐欺被害…
やっぱり見えないところで苦労しているんだな…と山田さんのお話を聞いて実感しました
自分が目指す未来と社員が目指す未来が一致しない人はやめてもらうようにした。お金のために働くのは幸せじゃない。
仕事=私事
毎日忙しくても仕事が自分の人生の一部だということを忘れないようにしてほしいと思っている。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
仕事=私事
これの意識って、とても大事ですよね
毎日忙しいと、自分が何になりたかったを忘れてしまいがちです
でも、それをちゃんと思い出せるように今も3ヶ月に1回は全員と面談をやって、本人のビジョンと会社のビジョンが一致するかを確認しているそうです
管理は依存を生む。
会社がやれといったからで70%ではなく
自分がやりたいで100%生み出したほうが会社は大きくなる。#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— かみやまみき(いちご)@AIinside人事 (@hiyokapi) 2018年12月10日
今の筋トレが、未来につながっているとお互いに腹落ちさせる
正しさより楽しさ
これが山田さんがチームを作っていく上で意識している事です
仕事って楽しいよね、って社員も思ってもらわないと会社経営は難しいと言います
だからこそ、自分がまずは楽しんで、社員を楽しく巻き込んでいかなければいけません
その方が結果的に儲かるのです
仕事を本人が考えることが「責任感の根源」となる。
仕事の成果=能力xエネルギー
(↑ユニクロの柳井さんの言葉)中心にいる人たちの熱の余熱で周りの人たちを巻き込んで行く。共感する夢に生きる。やりたいと思ったら乗っかってもらいたい。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
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ファクトリエ山田さんの心が折れそうな時に考えたこと
心が折れそうな時はどうしてた?
自分がやりたいことだったからなんとかできた。ファクトリエは黒子だから、ブランドよりも作り手をメジャーにしたいっていう思いが軸にある。お金のためだったら、ここまで長続きしている気がしない。 #朝渋 #ものがたりのあるものづくり
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
ファクトリエをメジャーにするんじゃなくて「作り手の想いでものを買う」ことを当たり前にしたい
本当に作り手のことを考えているという強い意志が、山田さんの心を折ることなくここまできているのだ、ということがわかります
生きるための目的が「お金」になったら辛くなる。
やらないリスクで起きる後悔は人生を幸せにしない。ウォークマンは80歳のおじいさんが開発して、手売りから始まった。年収も年齢も関係ない。相対的比較が始まると不幸しかないし意味がない。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
これは、『ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣』から学ぶ成功の秘密とは?でも書いた内容ですね
お金持ちほどお金のことを意識していない
相対的評価で自分を評価するとどんどん辛くなってきてしまいます
自分が幸せなら幸せ
自分の評価軸をもっていれば、心が折れそうな時もくじけずやっていけるのです
ファクトリエは100年単位で洋服産業の価値基準を変えていく
20〜30年後の目標は?と聞かれたところ、山田さんは以外な答えを言いました
100年単位で洋服産業を変えていかなければいけない。
5~10年で変わるようなものじゃない。新しい価値軸をつくるのは大変なもの。変に短期的にすると間違ったコミュニケーションになってしまうから。広告宣伝費を使うよりも、若手の採用。未来を見据える。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
30億のうち14億枚が未使用で捨てられている。生物じゃないのに。資源が勿体なさすぎる。
その解決策は「作り手の思いを知る」こと。そうすれば選ぶときの価値基準も変わってくるし、地球の資源を守ることにもなる。このままじゃ、地球はもたない…。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
愛を持って作って欲しい。
シャンプーとかもノンシリコンとかいいながら他のものが全部ケミカルだったりする。
本当に使いたい?本当に食べたい?
世の中の楽しさと正しさを両方兼ね備えるようにしたい。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
収益にこだわると、本当の目的を忘れてしまうという山田さん
そうじゃなくて、とにかく作り手ファーストで未来を考えているのです
資源問題を考えても、作り手の思いを伝えて簡単に捨てられないようにすることが大切です
大量生産大量消費のトレンドは変わってきてはいますが、まだ根深い問題…
それを変えるには、100年スパンでものづくり側が愛をもってつくりつづけ、買い手もそれを汲み取れるような価値観をもたなければいけないのかなと思います
ファクトリエ山田さんが考える「やるリスク」「やらないリスク」
社長だったら将来どうありたいか考えて、今の苦しみが未来にどうなるか社員には伝えなければいけない。
やるリスク→計算できる。数字に置き換えられる。
やらないリスク→計算できないけど相当でかい。どっちもリスクだけど、やるリスクの方が小さい。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
やるリスク→計算できる。数字に置き換えられる
やらないリスク→計算できないけど損失は相当でかい
やらない後悔より、やる後悔
これと同じことですよね
世の中は「行動」だけ。
結果はコントロールできないけど行動はできる。だから、行動しないのは勿体なさすぎる。やるリスクの方が低いなら行動するしかないと思っている。
とにかく楽しくやっていれば、みんなついてくる。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
行動はコントロールできるんだから、それくらいやろうよ
ってことです
わたしも、とにかく行動するように心がけていて、今回山田さんがこうやって言ってくれたことで、自分のやってきたことが肯定されたような気がしました
とにかく行動
自分ができるのは行動しかないから、それから始めればいいんだ
リスクはそのあと対応すればいい
この話は、今回のイベントで一番印象に残りました
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ファクトリエ山田さんが思う「簡単に儲かろうと考えすぎ」
簡単に儲かることを人は考えすぎ。
全部自己責任だから、誰かに期待すると失くす怖さがある。自分が何をサポートできるかを考えなければいけない。こうすればいい!が世の中に広まりすぎ。
ランニングマシンみたいに走ってるけど進んでないことがある。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
ファクトリエの山田さんが最初洋服を打った時は行商
道を歩く人に対して手売りをしていったそうです
そして昼に公園でタバコ吸ってる人にシャツ売ったりすることも…
1000日間で手紙を1000通書いていた。
その行動が自分が辛い時でも支えてくれた。行動しか自分がコントロールできないからこそ、自分ができることはしっかりとやる。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
作り手の思いを伝える為に1番本質的な行動だと思って、行動し続けた山田さん
まさに、さっきの話で行動できることは全てやっている姿を伺えます
こういった地道な継続した行動が、今の成功につながっているのだなと思いました
「行動を起こすことは必ず自分を強くする」ファクトリエ山田さんの言葉が突き刺さる
劣等生で世の中の基準で生きるとダメだったけど、自分らしく生きれる場所はどこかにあると思っていた。幸せであることから逃げない。
自分がどういうときに幸せを感じるのか、もう一回考え直してほしい。行動が幸せに繋がっていればそれが自分を支えてくれる。
#朝渋 #ものがたりのあるものづくり— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年12月10日
「行動を起こすことは自分を必ず強くする」
今回の山田さんのお話の中で心に突き刺さった言葉です
たくさんの行動をし続けて今がある山田さんが発した言葉の重みをすごく感じました
行動を続けること、重ねていくこと
それが幸せに繋がっていればそれでいい
行動を続けることで肯定感が増し自信も少しずつ付いてくるはず
わたしも、今から行動できることはなんなのか、小さなことでも数秒前の自分より一歩ずつ成長しようと思いました
朝早くから素敵なお話ありがとうございました
ファクトリエのことがより好きになってしまったこの本、ぜひ読んでください