みなさん,畳み人って聞いたことありますか?
最近SNSを見ているとよく目にする「畳み人」ということば
畳み人とは,様々な新規事業やプロジェクトをきれいにまとめて畳みこみ実現する人ということから名付けられた造語です
あんまり具体的なイメージがつきにくいですよね?
わたしも最初「畳み人」という言葉を聞いたときは,洗濯をたたむのがめっちゃ上手い人なのかなーとか思ったりしていました
今回,朝渋イベントのゲストにお越しいただいたのはそんな「畳み人」のプロでありVoicyの「風呂敷畳み人ラジオ」で話題の,幻冬舎の設楽悠介さんとNewsPicksの野村高文さんです
この二人は数多くのビジネスを畳んできた,畳み人界隈ではかなり有名のお二人なんだとか…
大きく広げられたビジネスをきれいに丁寧に畳んでいくこのお二人から
- 畳み人の魅力とはなんなのか?
- 畳み人に必要なスキル
- これからの畳み人
など,畳み人のあれこれについて朝の7:30から熱量高く対談していただきました
この対談を聴き終わって「畳み人を軽視していた…もうしわけない…畳み人すごい」となってしまったので,ぜひ記事を読んで畳み人がいかに重要なのかを実感してもらえたら嬉しいです
目次
風呂敷畳み人とは?
(photo by@ayato_ozawa)
風呂敷を広げる人:できるかわかんない突発なアイデアでも「やりたい!」って発信していって世間を沸かせる
風呂敷を畳む人:その「やりたい!」を実行可能な段階に落とし込み,形にしていく#朝渋 #畳み人朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
最近よく聞くこの言葉
畳み人
あれやりたい!これやりたい!!
っていうアイデアや事業をきれいに順序立てて進めてくれるのが畳み人の役割
逆の言葉として「広げ人」がありますが,これはとにかくアイデアを出しまくって世間を沸かせる人のことをいいます
設楽さんや野村さんは,畳み人のプロであり様々な新規事業やプロジェクトを畳んでは実現させてきました
一時期は5〜10のプロジェクトを回していたということもあり,かなりの頻度で畳んでいたことがわかります
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畳み人がいることでアイデアが現実になる
と思う人もいるでしょう
経営学者であるドラッカーのこの言葉を読むと,なぜ畳み人が必要になってくるのかがわかってくると思います
Strategy is a commodity, execution is an art.
by Peter F, Druckerアイデア(広げ人)だけでは優れたものはできない。実行する(畳み人がいる)ことで現実化する。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
Strategy は代替可能という意味で,根本的には企業の競争力にはなりません
execution is an artは実行可能という意味です
つまり
アイデアをただ言ってるだけじゃ他と何もかわらないよね,実行して初めて唯一無二のことになるよね
ということをドラッカーは言っているのです
広げ人がいくら誰も思いつかないような素晴らしいアイデアを言っていても,それが実現しなければないものと一緒です
だからこそ,畳み人がそれを形にして現実に落とし込んではじめてビジネスになります
畳み人がいなければ,おとぎばなしのようなアイデアは浮かんだままで終わってしまうのです
畳み人は作業マンではない!
畳み人は作業マンではない。広げ人のアシスタントでもない。イメージはボランチ。現場監督、PM、編集者。得点を取りやすくし、失点を減らす人#畳み人朝渋
— KAMIYAMA, Miki (@hiyokapi) 2018年6月5日
だからといって,畳み人は書類を片付けたりサポートしたりするのではありません
畳み人はサッカーでいう現場監督のポジションです
攻めの人が点数を取りやすくして失点を防ぐ役割
わたしはサッカーがよくわからないんですが,社会的立場でいうとPM(プロジェクトマネジャー)とか編集者のことで,地ならし人でもあると野村さんが言っていました
「畳み人」とは「地ならし人」である
どうやれば,広げ人が安心して走っていけるのかを考えること.だからアシスタントか指示を受けて動く人ってわけじゃない。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
広げ人が広げたフィールドをどうやってメンバーが走りやすくするか?
もちろん事務作業もするかもしれませんが,道をきれいにつくってあげるというのが畳み人で一番需要な役割になってくるんです
畳み人に不可欠な3つの要素
という疑問を持つひともいるのではないでしょうか??
野村さんが畳み人に不可欠な3つの要素を教えてくれました
《畳み人に不可欠な3つの要素》
①広げ人のアイデアを面白がり、付加価値をつける
②メンバーを集め、動かし、育てる
③リスクを事前に察知し、トラブルの芽を摘み取る— 長田涼@WaseiSalon (@SsfRn) 2018年6月5日
広げ人のアイデアを面白がり,付加価値をつける
畳み人に不可欠な3つの要素①
広げ人のアイデアを面白がり,付加価値をつける
→ビジネスを切り開くのは危ないことをやったとき。社長がそんな企画を持ち出したときに収益とか気にせずに,めっちゃおもしろいですね!って思うことが大事。広げ人と同じ立場にたつこと。#畳み人朝渋 #朝渋— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
設楽さんはこれが一番大事!だと言ってました
多くの人は広げ人がアイデアを出すと,まず損益とか儲かるかとか考えてしまうそうです
そうじゃなくて,広げ人のアイデアを一回興味をもって面白がる
企業がぐんっと伸びるときってそういう突拍子もないアイデアが出たときなんです
だからその芽を潰さずに一緒になって考えて,実現まで導く一歩を踏み出すことが大事になってくるんだそうです
メンバーを集め,動かし,育てる
「畳み人」に不可欠な3つの要素②
メンバーを集め,動かし,育てる
→メンバーを作り上げてどうやって役割を当てていこうか考え,畳めるように育てていく#畳み人朝渋 #朝渋— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
そしてアイデアに興味をもったら,次はメンバーにどうやったら動いてもらえるかを考える
広げ人の夢というのは多くの人からは理解されにくいです
ほとんどの人がこう思ってしまうのではないでしょうか?
でも畳み人は違う!
広げ人は楽しがってるけど下にいる人にそれは伝わりにくい。メンタル的な部分はどうやって伝えてる??
広げ人はすごい抽象的。だから広げ人が言ってることがなぜ面白いのか言語化して翻訳する役割が畳み人。何が面白いのか感度高く掴んで伝えてる。そして人間関係をしっかり作る。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
広げ人が面白がっていることをしっかりと理解して下にも伝える
面白さを共有するスキルも畳み人には求められています
リスクを事前に察知し,トラブルの目を摘み取る
「畳み人」に不可欠な3つの要素③
リスクを事前に察知し,トラブルの目を摘み取る
→最大のリスクを起きる前に読み取る力。これくらいのことが起きると予想できると,動くかの判断がしやすくなる。そのうえで,リスクをとるかどうかの道を作り上げる。— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
これもすごい重要だと設楽さんが言っていました
なるべく広げ人のアイデアや夢にはのっかりますが,ただのっかっているだけではいけません
大きな損失やリスクが起きる可能性があるものに対しては,早めにやめる判断をし広げ人に伝えます
リスクをどれだけ早く予想でき,起きる前に防ぐことができるか
これも畳み人がもっておくべき重要なスキルです
NewsPicksアカデミアの企画でも設楽さんと野村さんは活躍。アイデアに乗っかりつつも,収益を気にしたりしている。箕輪さんとかが帰った後に作戦会議してるのだとか…笑#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
実際に,設楽さんと野村さんもリスクがどれくらいやると起きるかなどを夜な夜な考えているのだとか…
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畳み人は時間管理が最重要
野村さんはちきりんさんの記事を10年以上ずっと読んでいるらしく,そこでマルチタスクの大切さに気づいたそうなんです
今は、1人で10個のプロジェクトに関わったりするから、現代のビジネスパーソンはマルチタスク管理ができないといけない。
マルチタスクマネジメントは、一番必要なビジネススキル。#畳み人朝渋 #朝渋
— 長田涼@WaseiSalon (@SsfRn) 2018年6月5日
そして,野村さんが行なっている時間管理術を余すことなく教えてもらいました
自分の作業をすべて書き出す
野村さんは毎日自分の作業を全部書き出している。自分がどれに何くらいできるのかを把握できるようになる。期日が押し倒しになるのは工数の見積もりが間違っているから。毎日書き続けると工数予定が立てやすくなって時間管理ができるようになる。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
みてください…すごくないですか?!
すごいマメですよね(というかすごい細かいことまで記録してる…)
はあちゅうさんの自分への取材手帳でも言っていましたが,偉大な人はみんな自分のことをよく取材し分析し知っているといいます
野村さんも同じで,すごい量で自分を分析しているから畳み人として偉大な存在になっているのだなとこの時思いました
新しいことにどんどん取り組んでるゆうこすもこんなことを言っていますね
仕事が遅れるのは、あなたが仕事が遅いからではなく、仕事にかかる時間を可視化できてないからって聞いて自分のスケジュール見たら、ゆうこす全部のタスクを「いける気がする、、!」と、全部早めに見積もってる、、このナルシストめ、、目を覚ませ、、 #畳み人朝渋 pic.twitter.com/rBT6vh8gKn
— ゆうこす♡菅本裕子 (@yukos_kawaii) 2018年6月5日
だれもが自分のことをよく知らずに計画を立てて後ろ倒しになってしまいます
自分がどれくらいの時間をかけてどれくらいでできるのか
それを知ることから時間管理は始まります
文字を書くときも1時間でどれくらい書けるか記録できると,時速3000字くらいだなーってこともわかる。集中できなかった時間も記録できると,自分の気が乗らない時間も加えて予定を立てることができる。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
字数まで計算していたとは…目からウロコでした笑
私もブログを描くときは,自分の時速文字数を計算してみようかなと思います
タスクをやる時間も先に入れて予定をブロック
googleカレンダーには予定だけじゃなくて,行動したことも後から入れてる。タスクをやる時間も先に入れちゃう。作業に当てる時間をブロックしておく。そうすると,変な予定に邪魔されたり焦ることが少なくなる。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
副業もそれ用の時間もブロックしちゃうことが大切。
工数を見積もることで自分のキャパができて,前もって予定をブロックする。その後に実際にどうだったか記録することで,見積もりとのズレをしっかり認識する。これが時間管理で大事なこと。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
自分の予定は自分が管理する
これを徹底してるという野村さん
あえてパツパツには入れずに余白を入れ込むことで,心に余裕をもって作業をすることができるらしいです
設楽さんは金曜日の打ち合わせはかなり断って時間に当ててるらしい。
金曜日にバッファをもってくることが大事。それがあるだけで心に余裕がでる。
1日は誰でも等しく24時間なので無理に頑張ろうとしても無駄。「可視化」するだけで大体のことはうまくいく!#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
畳み人の時間管理はこの3つをとにかくやる!
まとめると,畳み人が時間管理をする上で大事なのはこの3つ!
- タスクの工数を見積もって
- それをやる時間を確保して
- 計画を立て,予定通り進んでいるかチェックする
これをひたすらやり続けることが畳み人の時間管理の仕方
あたり前に見えますが,これを続けるのが結構難しいんですよね
新規事業イケてないあるある
イケてないあるある!
・メンバーが定期定期に集まってアイデアがでるけど,次のMTGが1週間後だったりしてスピード感がゼロ
→MTGしていくうちにアイデアが変更していく
→コミット度に変化が出る
→メンバー内に温度差がでる#畳み人朝渋 #朝渋— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
これ,共感できる人はできるんじゃないでしょうか?
はじめだけ勢いがかなりあって,だんだんペースダウン,そのまま自然消滅へ…
新規事業を立ち上げると,必ずと言っていいほどこのケースになってしまうんだそうです
スピードダウンすることでチームがばらけていって,だんだんとリスクをとらない安全な方へ進んでいってしまいます
そうして気づいた時にはありきたりな事業になっていて,もはや新規事業じゃなくなる
スピードと質を失ってサービスとしても魅力も劣化していってしまうのです
だから,事業案が腐る前にどんどん物事を畳んで進めていく畳み人スキルが必要になってくるんですね
スピードを落とさないためにはメンバーの意識を統一すること
だから,でたアイデアは「スキーム図(ビジネスモデル図)」に落とし込んで,メンバー同士の意識を統一すること。そしていつまでに何をしてスタートするのかをしっかり決めて,MTGをふわっと終わらせない。次やることを明確に。ベンチマーク・お金管理もしっかり。広げつつ畳むこと。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
- ふんわり終わらせずに形に落とし込んで意識を一致させる
- 決まったこと、やることを徹底的に明確にする
新規事業で畳み人になったときには,これをしっかりやることが重要になってくるそうです
サロンを作ったのは自分もその打席に立つため
サロンの人たちが動く時って成功体験をしたとき。なにが成功かわからなくなっているからこそ,成功体験と失敗体験を積むためにあるのがサロン。お金じゃないところでインセンティブになるものを突き詰めて考えられるようになった。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
設楽さんと野村さんは畳み人サロンというものをやっています
またサウナサロン・ゆうこすアップデートサロンなど数多くのサロンの運営もしています
どうして忙しそうなのにこんなに携わっているのか…
それは,お金のインセンティブのないところで、ひとがどう動くかを肌身で知るためだと言います
「畳み人スキルを磨くには、自分でプロジェクトを回す場数を踏むことが大切」これは、畳み人スキルだけではなく、コミュニティにおいても、どんなスキルでもそうだと思う。何回バッターボックスに立てるのか?これが本当に大切。
— 長田涼@WaseiSalon (@SsfRn) 2018年6月6日
設楽さんがサロンを始めた理由は,作家さんのサロンとかに協力するときに自分もやってみないとわからないと思ったから。打席を求めて作った。周りが打席を求めている環境に自分を投げ込むことで変わることができる。#畳み人朝渋 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
自分も体験してみることでサロンオーナーやコミュニティ運営者・著者の気持ちがわかる
だからこそ実際に自分も経験して共感できるようにしているそうです
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広げ人からとんでもないアイデアが降ってきたら?
質疑応答。広げ人からトンデモナアイデアが飛んできたら?野村さん、そっと闇に葬る。ただし動かない理由は用意しておく。新しいアイデアをかぶさることも。設楽さん、面白いとしてアイデアの可能性を検討していく。どこかで広げ人が気づくタイミングを待つ。 #畳み人朝渋
— Toru Kawarazuka@書評好きマーケター (@passionhack) 2018年6月5日
広げ人はすごいアイデアを思いついて発信していっても,ふとした瞬間に不安をもらすこともあります
まずは広げ人に寄り添って信頼を得る
そして本当にトンデモアイデアが危なくなった時に,聞き耳を立ててもらえるようにして意見が通りやすいようにしておく
そうすると見誤ることがなくなるそうです
注目が集まるのは広げ人。だからこそ畳み人の存在を伝える
注目が集まるのはやっぱり広げ人。だけど,ビジネスを成功させるには畳み人が必要だし実は重要な存在だということを伝えるために活動している。#風呂敷畳み人 もその活動の一貫。
#朝渋 #畳み人朝渋— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月5日
日本で名を馳せている人・有名な人はやっぱり広げ人が多いのが事実です
普通の人ではなかなかできないどんどん前進している姿に憧れをもつんですよね
私も実際そのうちの一人でした
でも,その裏には絶対に畳み人の存在がいるということを忘れてはいけないということを今回のイベントで思いました
畳み人がいるからアイデアが現実になって成功する
畳み人がいるからプロジェクトがうまくいく
畳み人はなくてはならない存在だなということがわかりました
Newspicks野村さん!幻冬舎設楽さん!まさに広げるしかできない尾原を畳んでいただいてます。お二人には感謝しかない。 Newspicks野村さん!幻冬舎設楽さん!いつも畳んでいただいる大恩人です。お二人のおかけで成長させていただいてます #畳み人朝渋 https://t.co/pr62D2y2FC
— 尾原和啓/どこ誰発売! (@kazobara) 2018年6月6日
尾原さんもこう言っているように,広げ人にとってはすごいありがたい存在なんですよね
ぜひ畳み人のことをもっと知りたい・畳み人になりたい!という人は畳み人サロンに入って,お二人の畳み人スキルを学んでみてください
ためになるお話を朝早くからありがとうございました