論語と算盤を読んだことありますか?
論語と算盤 は,日本の実業界の父と言われている渋沢栄一が,経営哲学を伝え起業家を育成するために語った談話集です
多くの経営者がバイブルとし,古くから伝わる名著です
MLB・エンゼルスで活躍中の大谷翔平選手をはじめ,超一流の若手選手を多数輩出してきた栗山監督も同じく論語と算盤をバイブルとしていたのだとか
今回の朝渋では,そんな栗山監督が著者の「育てる力」を手がけた小松成美さんに
- 本が出来上がるまでの経緯
- 論語と算盤の魅力
- 人生に対して伝えたいメッセージ
をお話いただきました
この記事を読み終わるころには,育てる力・論語と算盤 を読まずにはいられなくなるのではないのでしょうか?
目次
小松成美さんとは
今回のゲスト,小松成美さん(@komatsu_narumi)
ノンフィクション作家として,スポーツから歴史まで幅広い主題で本を出版してきました
人物にフォーカスしたものには,中田英寿・イチロー・YOSHIKIなど,錚々たる人たちを取材し執筆されています
また,執筆活動だけでなくテレビ番組でコメンテーターをするなど多岐にわたって活躍しています
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入院したことがきっかけで人生が変わった
365日同じ洋服を着たことがなかった。お給料の全てを服に費やしていた。小松さんにとって未来は明日だった。それしか見えなかったから未来について不安に思う日々が続いて寝れなかった。
#朝渋 #育てる力— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
「なんの迷いがなくても思い悩むと病気になっちゃうんだよねー」と明るくいう小松さん
当時の仕事のストレスが原因でメニエール病になってしまったそうなんです
そこで入院しているときに「自分の人生はこのままでいいのか?」って思ったのだとか
好きなことを仕事にしたい
最近だとこれを聞かない日はないほどありふれた言葉になっていますが,当時は違います
大きな会社で働くことがいいとされる時代の中でも,小松さんは好きなジャンルで仕事すると決意し,本を作る仕事に関わることにしました
大谷翔平選手と栗山監督に魅せられて
出版することになったキッカケは,大谷翔平選手の目標に「論語と算盤」を読むと書いてあってそれつながりで監督とお話したいと思ったから。この本は人生の書でこの国を作るものだ!と熱弁していて,そこから「育てる力」を作ることになった。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
今回の本の著者である栗山監督は,1人ひとりの選手たちに『論語と算盤』を手渡ししていたそう
栗山監督はこの本のことを「人生の教科書。自らを導いてくれた書」として愛読し,これを選手にも知って欲しいために本を配っていたんです
そして,あの大谷翔平選手にも渡していたんです
大谷翔平選手は夢ノート(91マス書き込むもの)の中心に「メジャーに行く」と書いていたんですよね
そして,その隣にはなんと「論語と算盤 を読む」という言葉があったそうなんです
そのときはまだ20歳くらいだったのにそれを考えていたことに小松さんは鳥肌が立ってしまったのだとか
そして,今では大谷選手は世界を代表する選手になりました
栗山監督は大谷選手についてこう言っていたそうです
大谷を私が育てたのではない
大谷に私が育てられたのだ
なんとも言えない絆…
詳しいことは「育てる力」に書いてあるので,ぜひそれを読んで大谷選手との関わりを目の当たりにしてください
インタビューはテクニックじゃない
インタビューするときのテクニックはあるけど,ほんとうに心からその人のことに好きで興味があればいいインタビューができる。偽った好意は相手に伝わるし壁を作られる。裸になって相手にぶつかっていくことが一番のインタビューテクニック。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
イチローやYOSHIKIなど知らない人はいないほどの有名人にインタビューをしている小松さんですが,最初は「そやなぁ」とか相槌だけで終わるインタビューもあったそうです
でも,小松さんはここで引き下がりません
すがりついてもインタビューして,自分がその人に対してどれだけの興味があるのかってことを伝え続けたんですよね
そうしたら,反応が薄かった人も次第に心を開くようになったそうです
人は心を開いた瞬間に,この人のために話そうっていう気持ちが湧いてきます
だからこそ,小松さんはその状況になるまで無垢な心で自分から心を開いてぶつかっていったそうです
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信頼関係を徹底的に作り上げる
インタビューした人たちが誹謗中傷を受けるような内容は絶対に書かないと決めている。オフレコなものは絶対に言わないし約束は守るということを当たり前にしてる。それができなければ「本当に大切なことは話せない」と思われてしまう。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
仕事でも人間関係でも,これは当たり前のように必要ですよね
約束を守れない=本当に大切なことを話せない
といったように逆証明になってしまうんです
だからこそ,絶対に他の人に喋らないし書かないという安心を与えることで,相手の心を開くようにしているのだとか
諦めない力よりも粘る力
栗山監督は粘る力が桁違い。プロ野球のために貢献したいという野球を愛する力が評価されて監督になることができた。
諦めない力・粘る力が本当に大事。それがあればなんでもやっていける。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
栗山監督の選手時代の戦績は決して監督になれる人ではありませんでした
プロ野球選手になれる心身ではなかったんですね
それでも野球をやり続けるんだと粘って愛し続けたんです
実績や数字ではなくて,野球を誰よりも愛しているこが認められて監督に選ばれました
その愛が選手にも伝わって、チームが輝くことができたとか
選手時代に優秀じゃなくても,愛があれば育てることができることを栗山監督は証明したんです
辛い経験によって人に共感できるように
プロの辛さをしっているからこそ,選手に熱を込めて指導できる。愛をあげられる。自分が辛い経験をしてる分,相手に共感ができる。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
記録と戦績だけを選ぶような人にはプロにはなれなかった栗山監督
粘って一軍を勝ち取った経験や挫折した経験がたくさんあるからこそ,選手が同じ状況になったときに心から共感してあげれる
トップを突っ走るような偉大な監督像も必要ですが,栗山監督のように選手に寄り添って育てていくような監督像も必要なのかもしれないって思いました
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人生が辛くなったときの考え方
辛いときは,天から与えられた道だと思うこと。恨んだり妬んだりするのは違う。失敗も未来のための出来事だから,強い意志と広い心をもって突き進むべき。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
この言葉は本当に勇気付けられました…
今の状況は与えられるべくして与えられた
「認められない」「実力発揮できない」
自分の思い描いている理想とちがうときに悩むことってありますよね
この時に「論語」の考え方を当てはめてみるんです
人には天の道がそれぞれ与えられています
それは常に成功の山が続くわけじゃありません
失敗で落ち込むような谷もあります(山あれば谷ありみたいな…)
だから悩みや苦しみも天が作った道の上にあること
起きるべきして起きたことなんですよね
ヒエラルキーとか人との違いもあるけど,それを不公平と思ってはいけません
- そこにある状況は天が与えてくれたものと受け入れる
- 失敗をしている自分を認める
このように今の状況を受け入れる広い心をもって辛いことを乗り越えることが必要だと小松さんは言っていました
広い心と強い意志との矛盾
それにはとてつもなく広い心と強い意志が必要になってきますよね
でもあることに気づきませんか?
例えば失敗は受け止めるけど,成功に対する強い意志を持つ
栗山監督の場合だと,負けを受け止めるけど,野球としてのミッションは勝つこと
この天に与えられた道だと受け入れられた次は,この矛盾に苦しむんです
志と振る舞いが一致するの瞬間って人生のうちでほとんどないんですよね
ズレを感じる方が多いし,それを感じるごとに落胆することになります
でも,それが人間なんだって思うこと
相手が幸せになるから自分も幸せに
「自分だけが幸せになることは絶対にできません」
小松さんはこのことを今回のイベントで終始言っていました
相手が幸せになるから自分も幸せになることができる
だから小松さんは「自分じゃない誰かが幸せになるにはどうすればいいかな?」と毎朝考えているそうです
実現している人に対して敬意を抱くのが人間
やろうと思っても出来ないのが人間
限られた人生の中で行動し、最後の時にどれだけ満足できているか
この最後までの道筋をを見せてくれるのが論語と算盤なんですね
渋沢栄一の魅力
会いたい人にはみんなに会う。どんなにくだらない人でも会うし手紙も手書きで返信する。決めたことを91歳までやり続ける渋沢栄一はすごい。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
- 会いたい人がいたら必ず会う
- 夢がある人には,パトロンとして支援する
- 寝袋に寝てる起業家に3分間で3億円をだす
渋沢栄一さんは,私利私欲が本当にないそうです
ただの歴史人だと思っていた渋沢栄一がこんなにすごい人だとは思いませんでした
すごいとしか言えない自分の語彙力が憎くなるほど偉大で深いことをしていることを知って,もっと知識を深めようと思います
あなたのことを世界で一番知っている
インタビューをするとその人のことが大好きになっちゃう。だから誰でもインタビューしていきたい。白い犬が草原を飼い主のもとへ駆け寄ってるようなイメージでその人のもとへ走っていく。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
小松さんの好奇心がすごい!
会場にいる人ひとりずつ指しては「あなたのこともインタビューしたい!あなたも!あなたも!」ととても楽しそうに言っていました
ほんとうに人が大好きなんだなと…
インタビューは決闘だと思っている小松さん
準備したデータは、インタビューのときに消去してまっさらな気持ちで臨むそうです
インタビュー前は「あなたのことを世界で一番知っているのは私」
インタビューの瞬間は「あなたのことを世界で一番知りたい・伝えたいのは私」
そう思いながら接しているとどんな人でも好きになってしまうそうです
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朝の空を見て1日の決意をつぶやく
どんな天気でも朝の空を見るようにしてる。夜明けの空の色は生まれたての赤ちゃんの色と一緒。ここに生まれてきた感謝を感じて,今日やることを朝に決めるとその日1日を生きる活力が湧く。#育てる力 #朝渋
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年5月7日
明け方の空の色はパープル・ドーン(明けの紫)というそうなんですが,これが生まれたての赤ちゃんの色と同じなんだとか
全然関係ないことでも,この世は何かしらで繋がっているんだなってことが実感できますよね
小松さんはこのパープル・どーんの空を見つめながら,今日やることを1つ決めるそうです
そしてそれは絶対にやると決める
それを習慣にして毎日生活している今がすごく楽しいと言っていました
論語と算盤で育てる力を知る
今回の著者イベントに参加して,論語と算盤 がかなり読みたくなりました
小松さんは論語と算盤に中学生の時に出会いそこからなんども年代を超えて読んでいるそうです
世界的に活躍している大谷翔平選手も読んでいる論語と算盤
育てる力は,論語と算盤のエッセンスを知ることができるような章立てになっています
そして論語と算盤を知れるだけじゃなくてビジネスにも落とし込めるような内容にしているので
と言う人はぜひこの本を読んでみてください
今日は #朝渋 で小松さんの新刊「育てる力」の著者イベントでモデレーターをしてきました!
「この本がきっかけで『論語と算盤』を知った人?」と質問したところ、なんと1/3近くの人がこの本きっかけであの名著を知ったとのこと!
過去の名著を語り継いでいくってこういうことなんだなぁ、と。 pic.twitter.com/bEZP5j5EiU— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) 2018年5月8日
小松成美さん素敵なお話ありがとうございました!!