リーダーになったからにはしっかりしなきゃ…まとめなきゃ
そうやって,自分に責任をすごく感じている人はいませんか?
- あの後輩が言うこと聞いてくれないよ…
- なんかあの人とチームやりにくいな…
リーダーをやっていると悩みは尽きないものでしょう
そんな悩みを解決してくれるのが「宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。」という本です
タイトルからして…これはいいのだろうか?とちょっと不安になりますよね
今回は,その本の著者であり組織開発ファシリテーターという仕事をしている長尾彰(@AkiraNagao)さんに「著者が語る朝渋」にお越しいただき
- リーダーはどうあるべきなのか
- どうすればいいチームを作ることができるのか
をテーマにお話いただきました
大人気漫画の「宇宙兄弟」を題材に,リーダシップ・チームとは何かについて内容を深掘りしていきます!
目次
組織開発ファシリテーターとは?
(photo by@ayato_ozawa)
著者の長尾彰さんの仕事は,組織開発ファシリテーターというもの
20年に渡り,年間3000を超えるチームビルディングを支援してきました
と思うかもしれませんが,コンサルと組織開発ファシリテーターの違いは
コンサル:結果に責任を持ち,やり方を提示するひと
組織開発ファシリテーター:プロセスに責任を持ち,プロセスを一緒に考えるひと
といったように,その2つの目標や提示内容です
長尾さんは以前に,チアリーダーのチームを支援することがありました
そのチームは,町田で活躍しているレジーナという全米選手権で優勝するほどのすごいチーム
もしコンサルがこのチームを支援するとしたら,結果に責任をとらなければいけないので,できない人をチームから外してどんどん強い方向にもっていく手段をとります
弱いものを削ったり,強いものを増やしたりしてチームを作っていくのがコンサルのやり方です
逆に,組織開発ファシリテーターの場合は,たとえチアが向いてなくて弱いなーと思う人でも,
- この人の役割はチームで何なんだろう
- どこにいたら才能が花開く可能性があるのだろう
といったように,今よりいい機会を個人に与えてチーム作りや組織づくりを支援していきます
なにかを成し遂げたい目標があるチームを個々に落とし込んで,可能性が開く機会を作るのが,組織開発ファシリテーターの仕事なのです
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「リーダーだから」と動くのはしんどい
長尾さんは,昔自分がリーダーだった時に「人を動かす」や「7つの習慣」を必死に読んで
- リーダーだからあれをしなきゃ
- リーダーだからこれをまとめなきゃ
と「リーダーだから」につきまとわれ,とってもしんどかったそうです
そんな中で,うまく行った時はどんな時だったのかなーと考えた時に共通している状況があったそうです
それは
リラックスしているとき
うまくやってやろうって思うときはうまくいかなかったのに,リラックスしているときは全てうまくいっていた
正しいとか優秀がいいのではなく,間違っててもいいから楽しいとか面白いの方が必要なんじゃないの?って思ったそうです
宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。にも出てくる賢者と愚者の例えがありますが,これもどちらが正解とかがあるわけではありません
どっちのタイプがいてもいいんです
あなたは愚者型?的?風?
「対話型」誰かが作った手順に従う行為
「対話的」対話なようだが対話では無い行為
「対話風」状況に応じて相手が対話をしやすいように振る舞う行為
「対話」相手も自分も留保無しでお互いが考えていることを理解しようと努めて聴く姿勢かなあ。んー。
— 長尾彰/Akira Nagao (@AkiraNagao) 2018年5月30日
これ面白いですよね
完全に言葉遊びです
上のツイートに愚者を当てはめてみると
愚者型:愚者のやり方に沿って行動をとる
愚者的:愚者のようだが愚者ではない行動をとる
愚者風:状況によって愚者のように振る舞うこともできるし賢者のように振る舞うこともできる
愚者:完璧を求めず常にフラットな姿勢
微妙にニュアンスが違いますよね
長尾さんが憧れているというジミー大西さんは,愚者風愚者
とにかく何やってるかわかんないけど,愛されてる人になりたいそうです
リーダーをやっていると,どうしても賢者風愚者になりがちです
対談中に出たこのスライドを見てもらうとわかるんですが,自分が中心になって自分が始める
自分がチームを引っ張っていく役割を担っていくんですよね
そういう人に限って,「〜しなきゃ」となってどんどん苦しくなっていってしまうそうです
人を変えられないのは当たり前
チームを作ってる時に辛くなる原因の一つとして,人を変えようと思っているからなんです
あの人をこうしよう・こうやって動かそう
そう思うと,だいたいのことは思い通りになりません
人は変えられないことを前提にすること
直接その人の何かを変えることは無理だと考えた方が,豊かな関わり方がお互いにできるそうです
だから,この人にちょっと変わってほしいなーと思った時は
- 変わってほしいということを伝える
- なんで変わってほしいのか,自分が思ってることを伝える
この2つが重要なんだとか
以前書いた恋愛の記事『カップルで旅行したら喧嘩ばかり?!彼氏と喧嘩しない4つの方法』にも,彼氏にダメ出しをするんじゃなくて,そういうことをやられたら悲しかったという気持ちを伝えればいいということを書きました
自分の気持ちを伝えて相手の行動が変わるきっかけをつくる
チームづくりも恋愛も同じことかもしれませんね
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愚者風リーダーってやっぱりさらけ出さなきゃいけないの?
愚者になるためにそういうことを思うかもしれません
でも,長尾さんは,必須とか・自己開示しなきゃとか「〜なきゃ」って思ってる時点でwantではなくなってしまいまうと言っていました
shouldだとチームは絶対にうまくいかず,リラックスした状態のwantがあるからこそうまくいく
だから自己開示しなきゃなどshouldで考えるのではなく,まずは自分と相手がいかにリラックスできるかが重要になってきます
いつのまにかwantをさらけ出してしまうような環境を作るのが愚者風リーダーシップなんですよね
楽しいことをやりたいと思いつつも数字が気になってしまう
やっぱり結果は大事なもので,そこを気にしてしまう人も多いんじゃないでしょうか?
こういう人はどうすればいいのか…?
長尾さんがこういう人の相談にのったときは
なぜその目標なのか,なぜその戦略なのかを教えてください
ということを聞くそうです
昨対の売り上げを越えよう!ってなってる時,なんで超えなきゃいけないのか・なぜ超えるのか
その理由を答えられる人ってほぼいないんですよね
なぜがないことが圧倒的に多い!
そしてwantがたとえあったとしても,なぜがないと頭が理解してないから動けないんですよね
「なぜ」を考えることで行動の動機ができます
こうなりたい!っていうビジョンとかミッションを理解してもらって初めて,メンバーは安心して動けるようになるんです
タックマンモデルを用いたチームビルディング
チームビルディングの分野での有名な理論として,タックマンモデルと言うものがあります
これは心理学者のタックマンが作ったモデルのことで,組織の進化を5つのフェーズに分けました
- Forming:形成期
- Storming:混乱期
- Norming:統一期
- Performing:機能期
- Adjourning:散会期
これを,本書で加筆修正したのが4つのチームの状態です
- Forming:形成期
- Storming:混乱期
- Norming:統一期
- Transforming:変態機
googleが「イケてるプロジェクトの共通要素はなにか?」という調査をしたのですがその結果がこれ
心理的安全性があるかどうか
なんです
何を言っても大丈夫・平気だ
という雰囲気がチームの中でできればあとは自分たちで進んで自走していくのだそうです
だからチームがまずは1の形成期を超えられるかどうかが重要になってくるんですよね
会社は形成期を超えられない
会社で思ったことをズバズバ言えた経験ってありますか?
上司に本音が言えることってほとんどないですよね
そんな会社は,心理的安全はなくて不安な要素が多すぎている状態です
だから多くの会社は混乱期にいくこともできず,ずっと第一ステップで止まってしまっているんです
混乱期がくると手が動かなくなる
チームがある程度形になってくると,今度は本音が言えるようになってきます
そうするといよいよ混乱期へ突入!!
- わたしはもっとこうしたい
- こうすればいいのに,あの人は違う意見をもってる
と,どんどんみんなの意見がでてぶつかりあってきます
長尾さんがいうには,この時のチームは周りから「ありゃダメだな」と言われることが多くなるのだとか
それは,そうやってぶつかりあって話し合いをしていると手が動かなくなるからです
そうすると前に進まず停滞しているように周りから見えてしまうんですよね
でも停滞期がなければ,次の統一期にいくことはできません
チームメンバーがぶつかり合いながら,自ら話し合いを始めたり動き出したら一気にパフォーマンスが上がるんです
チームの段階を恋愛に当てはめてみるとわかりやすい
いまいちイメージできないなーと言う人は,ぜひ恋愛に当てはめてみてください
出会いたての頃はお互いのことが好きで好きでたまらなくて
みたいないい面しかみせないのが形成期です
彼女側はぶりっ子になるし,彼氏側はイケメン・優男ぶります
でも時間がたってくるとだんだん本音が出てきます
とお互いの意見をぶつけ合っている
これが混乱期です
カップルでいうと倦怠期にも当てはまります
そして,そこから話し合いが始まります
こうやって2人の間だけのルールが決まってきて関係が良好になるのが,統一期
さらに次の結婚などのステージに行く時は変態期に入っていきます
自分のチームの変化がよくイメージできないという人は,このように恋愛に置き換えてこの状態を乗り越えるにはどうすればいいのか考えてみてください
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みんなのwantばっかりを受け入れてたらバラバラにならない!?
リーダーを実際やってた人はこういう不安を抱えているのかも…
長尾さんの答えは
バラバラにしたほうがいい!
というものでした
リーダーやったことある人からすると「なんだそれ!!」って思うかもしれませんよね笑
メンバーがバラバラだと,自然と温度差が出てきて同じ温度同士が集まるようになってきます
そうすると似た者同士だから楽しい雰囲気作りが自然とできてくるんです
無理に温度をみんなお同じにするよりも好き勝手させて,似た者同士集まった方が結果的にいい方向に向かうのだとか
整えなきゃ・まとめなきゃってリーダーは考えすぎなのかもしれませんね
チーム内にクラッシャーがいた時はどうすればいいの?
必ずといっていいほど,チームにクラッシャーっていますよね?
その人がいるだけで周りの雰囲気が少し悪くなる
クラッシャーがチームの中に入ってしまった時はどうすればいいのでしょうか??
長尾さんの答えは
本当にその人はクラッシャーですか?
です
クラッシャーって呼んでしまうのが,あなたとの関係性の中だけで進んでしまっている可能性があります
そして,クラッシャーなる人も壊そうとして壊している人はいません
だから,まずはクラッシャーと思っている人に壊さないでほしいと伝えてみることが大事なんだそうです
気になった行動があったら,
- どうしてそれをするのか
- 壊されている気持ちにされて悲しいと
- そして相手がどうしたいのか
をしっかり向き合うことで,そう思ってる人と理解しあう第一歩を踏み出すことができます
チームビルディングって奥深い
今回,長尾さんの話を聞いていて思ったことは
チームビルディングってなんて奥深いんだろう
ってことです
ありきたりなノウハウなんかじゃなくて,人間同士の関係・潜在的な意識まで落とし込んで接していかなきゃいけないんだなと思いました
今わたしが運営している
の2つのコミュニティがありますが,長尾さんの今日のお話を参考にして,どちらも表面上だけじゃなくて深くコミットして続けられたらいいなと思います
そしてこのお話は本のなかのほんの一部にすぎません
- リーダーになったけど不安な人
- チームビルディングに興味がある人
- チームを運営している人
- 宇宙兄弟ファンの人!!!!笑
はぜひこの「宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。」を読んでください
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