売り上げを伸ばすにはどうすればいいんだろう…
新規事業や新しくブランドを立ち上げるときに,すごい気になるのが顧客の存在ですよね
お客さんがいなければ,売り上げをあげることもできないし,企業として成長することができません
でも,そう簡単にはいかないのが難しいところ
そんな時に「ファンベース」という考え方をしてみてはいかがですか?
今回は,「ファンベース 」の著者・佐藤尚之さんが,ファンベースがなぜ売り上げアップにいいのか,どうやってファンを増やしていくのかを,熱量が高いプレゼンでお話ししていただきました
- 売り上げを伸ばしたいけどなかなかうまくいかない…
- ファンをもっと作りたい
人は,ぜひ読んでください
目次
ファンとは価値観の近い存在
(photo by@takumiYANO_)
さとなお(佐藤)さんは,ファンをこのように定義しています
- 企業やブランド商品が大切にしている価値を支持してくれる人
- 価値観が近い人
- 黙っていても商品を買ってくれる人
また,今はそのものの価値がそこまで大きくなくても,一緒になって価値を伸ばしたいという人もファンと言えます
自分の価値観と合ってそれを応援してくれるような人が,ファンだと言えるのではないのでしょうか?
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ファンベースの考えが売り上げを変える
売り上げを伸ばすときに,
- 今までのファン(常連客)に商品を買ってもらう
- 新しい顧客を獲得して,商品を買ってもらう
の2択が考えられます
その時に,多くのマーケティングの人たちが注目するのは,新規顧客
新規顧客を取ることで売り上げを上げようとします
ファンって新規顧客取得には関係ないよねと考えられがちです
しかし,これからの時代を考えた時に絶対にファンをベースにした考えをマーケティングに導入した方が売り上げは伸びると,さとなおさんは言っていました
結果が出せるのがファンベース
ファンベース=ファンを大切にして,ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方
ファンとパレートの法則
パレートの法則とは,組織全体の2割の人が,全体の8割の利益や要素を生み出しているという理論です
経済用語としてよく使われており,自然現象や社会現象など,様々な事例に当てはめることができます
そして,このファンもパレートの法則に当てはめることができるのです
ファンの消費量(某飲料メーカー)。自分の経験からはB2Bだと購買量とファン力がこれほどの相関環境があるとは思わないけど。ただし周りへの波及効果を換算すると最終的には同じ効果かな。 #朝渋 pic.twitter.com/4fgcxUQjZD
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2018年2月7日
このグラフを見るとわかると思うんですが,20%のファンが80%の売り上げを支えています
かごめジュースも,お客さんの2.5%が全体の30〜40%の売り上げ占めているそうです
ファンが売り上げの大半を支えて,伸ばしてくれていることがわかりますよね
だから,「新規顧客をとるって売り上げあげるぞーー!!」とならなくても,20%のファンを大切にするだけでも売り上げを伸ばすことができるんです
ファンのLTV(ライフタイムバリュー)をアップすれば,売り上げは自然に伸びていきます
例えば,ファン1人あたり10万円の使ってもらっていたら,それを50万円使ってもらえるようにすれば売り上げは伸びますよね
なぜファンベースが必要なのか?
ファンベース が必要になってくる理由は全部で4つあります
- 人口急減(毎年千葉市が一個ずつ減っていく)
- ウルトラ高齢社会の到来
- 超成熟市場,USPの陳腐化
- 情報過多と二極化
人口が減ってく中で,新規顧客を増やしていくのはどんどん大変になってきます
だったら,ファンの熱量をどんどん高くした方がいいです
ウルトラ高齢社会の到来によって,消費者はだんだん消極的になっていきます
なので,新しいものに手を出しにくくなってきているんです
だからお客さんをファンにして,慣れ親しんだものとして扱ってもらう方が購買意欲がわき,売り上げを伸ばすことができるんです
人間は情報がありすぎると買うのやめてしまうと研究でわかってます
そして,この情報がありふれた世の中になっていくにつれて,どんどんものが売れにくくなってきています
どんなにいい商品でも,特徴で勝つのは難しい
だから,ファンにすることによって特徴的でなくても情報過多でも買ってもらえるようになります
ファンになってくれれば,このような影響を受けることはありません
情報をすごい使う人に,いくら発信してもすぐ忘れられてしまいます
また,ネットを全く使わない人もまだまだ日本に多くて,そういう人たちには全然発信をみてもらうことさえしません
そういう情報格差があるお客さんを捕まえるのはすごい大変
今いるファンを大切にすることで,確実に情報を届けることができるんです
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情報なんてすぐに忘れられてしまう
世界の砂の数より多いと言われている情報の数
Youtubeでは,毎分300時間分(12日半)もの動画がUPされている…
凄まじい量
だから,そんな情報が溢れてるなかですごいことを発信しても,砂の一粒にすぎない
しかも.他の砂つぶが全部主張してるんですよね
露出を増やしても,砂つぶを増やすだけ
基本届かないしみてくれない,覚えてもくれません
だから,短期キャンペーンとか誰々の社長の言葉なんてその瞬間はバズっても,すぐ忘れられてすぐ消えるのが現実です
そんな中で,いかに人々の心に残せるかを情報発信者は考えていかなければいいけません
友人からのおすすめが一番信頼度が高い
そのキーとなるのが,友人です
情報感度が高い人でも低い人でも友人のおすすめには心を動かされます
友人は価値観が近いからです
その人が愛用してる大好きなことは自分も満足できる可能性が高いと信じることができます
信頼できる情報源は圧倒的に友人・家族
有名人・インフルエンサーは広める力はあるけど,信頼度は低いです
これからは,発言力の強さじゃなくて,どれくらい親しいかが重要になってきます
このように,信頼できるファン(友人)が広めてくれることによって,新しいファンを作ってくれる
類友がファンを増やしていってくれます
好意の積み重ねを大切に
先にも言ったように,
短期キャンペーンや単発施策は,一過性かつ瞬間風速的ですぐ忘れられてしまう
このような方法をマーケティングとしてやることは,すごい短期的で狭い考え方です
ぶつ切りになって繋がっていないことがわかると思います
ここで,デートの例を紹介したいと思います
例えば1回デートをしていいなーと思ってても,そのあと全然連絡してこない人がいたとします
しかも,夏にデートしてから音信不通になったのに,次のシーズン(冬)にまた急に
って言って来られたら「は?なにこいつ!?」ってなりますよね
好きになりそうなものも,これじゃ好きになれない
進展しそうなものも,これじゃ進展しない
短期キャンペーンとか単発のイベントもこれと同じことが言えます
でも,短期キャンペーンはインターネットを使っていない地方の人たちにとってはまだまだ届きます
だから短期キャンペーンのことだけを考えないで,短期とファンベースを組み合わせることで忘れ去られにくくなります
ブランドや商品を好きになってファンになってもらうには,ファンベースに好意を積み重ねていって,資産化していくことが大切です
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全員をファンにすることなんて無理!
全員をファンにしようと思ってはいけない。鉄則ですな。 #朝渋 pic.twitter.com/rWKDo7za5d
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2018年2月7日
全員をファンにする必要はありません
パレートの法則にもあったように,全体の2割をファンにできればいいそうです
中学のクラスがあったら,だいたい8人くらいが価値観が近い存在で仲間にできます
その中でも,親友みたいなコアなファンになるのは2割の中の2割
本当にファンになってくれるのって少しだけなんですね
ファンを常連さんとして考える
どうしても,ファンのイメージがつきにくい人は,
ファン=常連さん
とイメージするといろいろつかみやすくなってきます
- 自分が常連となっているカフェやお店は,どんなところを気に入って常連になっているのか
- 常連さんにしっかりきてもらい続けるためにはどうすればいいのか
常連さんが気に入ってくれているところがどこなのかをしっかり考えることで,ファンを生みだすための方法がわかってきます
ファンをつくる三か条
応援される企業・ブランドになるためには…
①共感を強くする
②愛着を強くする
③信頼を強くするでも、これって個人のありかたとしても、そうだと思う。
想いを発信したり、フォローいただいている方の事を考えたり、誠実さに気を配ったり。#ファンベース な生き方をしていきたいと思いました。 pic.twitter.com/mTVTUi4TtU
— 井手 桂司 (Keishi Ide) (@kei4ide) 2018年2月8日
- 共感
- 愛着
- 信頼
この3つがあるとファンを生みだすことができます
熱狂、無二、応援 #朝渋 pic.twitter.com/yJ6wB5Mivd
— Hideki Ojima (@hide69oz) 2018年2月7日
また,そのファンからの支持を強くするためには
- その価値自体をアップさせる(熱狂)
- 他に代えがたいものにする(無二の存在)
- 価値の提供元・評価・評判をアップさせる(応援)
の3つが必要になってきます
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これからはファンベースで物事を考える
今回のイベントで,ファンベースで物事を考えることがいかに大切かを,改めて実感することができました
『全員をファンにしようと思っちゃいけない』
わかってはいても,なかなか全員から好意を取ろうと思ってしまうと思います
そして軸がブレてしまって,今までいたファンが離れてしまうなんてことも…
だから,いかに今いるファンのことをしっかり考えて,その人たちに満足してもらえるようなものを作り出せるかが,成長する鍵なんだと思います
もう一回,ファンは何を望んでいるのか,どうしたらファンを喜ばすことができるのか,考え直してみようと,さとなおさんのお話を聞いて強く感じました
ファンベース で考えることの大切さを教えてくださったさとなおさん,素敵なお話をありがとうございました
本にはさらに詳しく,ファンベースの考え方が書いてあるので,ぜひ読んでみてください