面白い企画をしたいけど,どうやって作ればいんだろう
ウェブや雑誌などのメディアを運営していると,必ずといっていいほど出てくる悩み
面白いものにしようと思ってもどうしてもうまくまとまらない…そもそもだめだ…なんてことが,このブログを運営している私(@namatcha_)もよくあります
そんな悩みとは裏腹にバンバンと面白い記事を生み出していく新R25というメディアを知っていますか?
数々の著名人にズバズバと切り込んだ質問をしながら対談をするという記事は,20代の間でもかなり話題になってます
今回は新R25の編集長・渡辺将基さんに面白い企画づくりの極意を朝渋のイベントにて教えていただきました
- 面白くてしっかり拡散される企画の作り方
- 企画するときに気をつけなければいけないこと
- 新R25の企画するときの考え方
など,渡辺さん流の企画の考え方を90分間たっぷりと教えていただきました
目次
新R25の企画の作り方の極意
(photo by @takumiYANO_)
渡辺さんが企画をするときに意識している「企画の極意」を5つ教えてもらいました
その5つの全てに共通していることは「切り口」を徹底的に考えること
【新R25の企画の極意】
人x切り口情報だけ見ても響かなくて,人を選んで信頼しようっていう動きが高まってる。だからその人にどう切り込んで行こうかって言うのが重要になっていく。どういう視点で切り込んでいくのかで反応が変わる。#朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
この人面白そうだなあーと思って話しを聞くだけではなく,その人が面白く映るような切り口を見つけられるかが企画力に関わってきます
誰が話すかということも重要ですが,見慣れているインタビューではさっと流されて終わってしまいます
いかに面白い切り口を見つけて拡散してもらうかが重要なんです
新R25の切り口の極意1:絞る
【切り口の極意1】
絞る(切り口をもっとタイトにしてみよう)お金のテーマを聞くとして,もっとテーマを狭くしようと意識すること。「お金の使い道」「お金の貯蓄方法」とか…そうするとどんどん企画が尖っていく。狭めていくことで他にない切り口が見つかる。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
【切り口の極意1】
絞れてない企画は結局誰にも刺さらない。まずはタイトにして企画して特定のだれかにぐさっと刺さるようにする。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
これは何に対しても言えることですよね
1人に刺さらないことは誰にも刺さらない
だから,狭く狭くターゲットを絞って,そのターゲットに必ず刺さるように設計していく
そうすると,他のインタビューとはちがった切り口が見つかるそうです
新R25の切り口の極意2:逆張る
【切り口の極意2】
逆張る(世の中の固定概念を見つけよう)世の中の固定概念に常に敏感になって,あざとくなく素直になること。そうすると企画力・タイトルが強くなる。実はみんなこう思ってるんだ…ということに正直に書くと同感を得やすい。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
逆張るは炎上しやすいし危険な方法でもありますが,多くの人の心に刺さる切り口を見つけることができます
みんなが本心では思ってるけど言えないことを代弁していうことで「わたしもそう思ってた!」と拡散してもらいやすいんです
これは世の中の常識を疑い続けなければ見つけにくいかもしれません
新R25の切り口の極意3:揺さぶる
【切り口の極意3】
揺さぶる(揺さぶると本性が顔をだす)揺さぶるとほうが相手の主張が強くなったり,相手がほんとうに思ってることを言ってくれやすい。でも事前に「読者目線でいきますね」とは許可を取っている。あえて揺さぶることで企画にエッジが立つ。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
新R25がよくやってるのがこれ!
取材相手の心を揺さぶることで,相手からの本音を引き出すことができます
ホリエモンにお金について突っ込んだけど、何を聞いても価値観はひとつだった
この記事もかなりホリエモンの心を揺さぶってますよね
もちろんただ揺さぶるだけだと相手の失礼になるので,新R25が突っ込んだ質問をするというブランディングができたからこそやりやすくなったと渡辺さんは言っていました
新R25の切り口の極意4:極端にする
【切り口の極意4】
極端にする(思い切って振り切ってみよう)極端であることが大切。一回企画を考えたら「もっと極端にできないかな」ってことを考える。振り切るには勇気が必要だけど極端にすることで面白くなる。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
新R25の記事を見ていると他のメディアと切り口が違うなって何回も思うんですが,この部分が強いかもしれませんね
ここまでやる!?みたいな企画がたくさんあります
そうやって極端にすることで読者の心に残る記事ができていくんですね
新R25の切り口の極意5:ギャップを出す
【切り口の極意5】
ギャップを出す(相手の新鮮な一面を引き出そう)普段見れない姿をメディアで見せる意識をしていく。そうするとイイものみた!っていう感覚を与えることがあできる。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
著名人とかは多くの取材を受けているので慣れているし,読者もだいたいの基本情報は得ているもの
だから似たような内容だとすぐ飽きられてしまうんです
そこで見せていくのがギャップ
たとえば箕輪さんとキッズラインの記事も
みたいにギャップ萌えを生むことで,読者自身も新しい発見をすることができて何かを得た気分になります
そうすると,記事の面白さを読者自身の中で生み出すことができるんです
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新R25の企画するときの落とし穴は「落とし込めるかどうか」
数多くの面白企画を生み出してきた新R25
ですが,企画を立てる時点で何点か気をつけなければ落ちる穴があるんだそうです
【企画の落とし穴】
ー仕上がるの?ー
・取材してくれるのか?
・ストーリーは描けているのか?
・発見や学びのある記事になるか?
・ライターに適性はあるか?実際に形に落とし込めるのかを、冷静に判断していく。ここが抜けがちなポイント。
— 長田涼@WaseiSalon (@SsfRn) 2018年6月26日
ウェブメディアを運営は企画しておわりではありません
世に出すまでが仕事
だけど,企画会議をしていると意外に無責任なことが多いんだそうです
- 取材OKしてくれるのかを視野に入れてない
- 切り口だけで落とし方を考えていない
- ただのふざけた企画になってる
- 記事を仕上げるのにめっちゃセンスがいることがある
見切り発車ではなく,しっかり現実をみることも大事なんですね
新R25の企画依頼方法
【企画の依頼方法】
ほとんどTwitterでいく。堅苦しくしたくない。ギャラよりも取材内容で決めてるから,そこで取材OKをもらう勝負をしている。前半は相手へのリスペクトを伝えて,そのあとに揺さぶるようなことを言う。じゃないとただの失礼なやつになってしまう。 #朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
取材の許可をもらうためには,相手が「ここなら取材されたい」って思ってもらうこと
だから,はじめはひたすらリスペクトを伝えて,その上で切り込んでいくようにしています
最低限の信頼を作らないと,相手の気分を悪くするだけでなく失礼に当たる可能性があるんですよね
尖った企画を実現するために,裏ではかなり気を使っていると渡辺さんは言っていました
取材するまでの準備はネットが多い。大事なのは情報を集めるだけじゃなくて相手にどうやってリスペクトを伝えるってこと。いろんな情報を繋げた自分だけの見解を相手にしっかり伝えるのがいい。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
新R25の渡辺さんと朝活の企画の考え方を学ぶ
今回はtwitterで事前に募集した朝活に関する企画から,渡辺さんが実際にどのような切り口で企画しているのか,その思考の中身を見せてもらうことができました
学びになる企画
朝活 x 人でまずは考えてみた企画がこちら
デキるビジネスマンx朝活ハック
このような誰もが学びになる企画は拡散されやすいし響きやすいそうです
新R25でもやる気の記事を更新したときもビジネスマンに多く拡散されたのだとか
>>「簡単にやる気を出す方法を教えてください!」→脳研究者「やる気なんて存在しない」
ギャップを見せる企画
朝活とは全く逆の夜活を入れてみると,そのギャップが面白そうと思って記事を読んでくれます
朝活 vs 夜活
ギャップを生み出すと面白い。難しいのが落とし所。どう展開させたら面白くなるのか流れを作るセンスがいる。レポート系を面白く仕上げるのはセンスが必要で,ただ会話を書くだけじゃだめ。ここをうまくできていないメディアは多い。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
- マツコデラックス
- ホリエモン
夜を想像できるような著名人に朝活をやってもらったり,朝型になってくださいと説得したり…
お互いに論争になると面白そうと渡辺さんは言っていました
でも,こういう大勢の対談とかは書くのは難しいしセンスが必要みたいですね
座談会は面白さが分散しちゃってうまくいかないことが多かった。その場でうまく話せないとかのときは,あとから「こう言う風にするのはどうですか?」と提案して面白くするように記事をつくる。#朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
アイデアは面白いけど合理的で納得できる企画
朝活x合コン
合理的で納得できる企画が大事。朝デートをすれば女性の朝の綺麗な顔で男性に会えるというメリットがあるとかドタキャンされないとかしっかりとした理由付けがあると拡散されやすい。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
女性のデートの悩みが朝なら解決するという点がたくさんあり,かなり読まれそうだなと思いました
こういう風に企画段階で多くの人が「たしかに!」となる企画は,記事となって出してもおなじような反応が返ってきて広く読まれるそうです
極端な企画
朝活x極端
朝活ぶっ飛びエピソードを並べてみる。切り口が絶対に面白くなるからタイトルで釣ることができる。ツッコミポイントをたくさん作れるから,記事を構成しやすい。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
みなさんは片岡鶴太郎さんをご存知ですか
片岡さんは朝起きて七時間瞑想をするそうなんです!
極端!!
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新R25渡辺が考えるメンタルが強い人の特徴
メンタルは強くできるのかなって思ってる…自己肯定感が強いかどうかで決まると思ってる。だから小さな成功体験を積むことが大事。取材相手が怖いときは,あえて「きっつ」とか言って会場を笑わせてみたりする。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
渡辺さんは
メンタルの強さ=自己肯定感の強さ
と思ってるそうです
自分への根拠のない自信を持つことで,どんなに相手に嫌なことをされても潰れないんですね
新R25のチームマネジメントのポイントは「視座」
これが私的に一番心に響いたお話でした
視座をあげることが大事。「記事をだして」じゃなくて「めっちゃおもしろい記事をだして」って相手に伝える。組織によって目線が変わってくるから,上司が視座をどんどん上げていくこと。自分もプレイヤーにツッコンで行動してそれを下に見てもらうのがチームマネジメントになっている。
#朝渋企画— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
視座をリーダー自ら上げることで他の部下たちも視座が自然に上がる
リーダーがプレイヤーになって結果を出すと、全体の目線を上げることになり、周りがトライしやすい環境になるそうです
チームマネジメントで大事なのは目線をどうやってあげるかが大事。だからリーダーがどんどん行動して結果を出すことが大事。渡辺さんは上から絶対にできないことをガンガン言われる。でもそのおかげて自分も視座が上がった。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
宇宙兄弟から学ぶリーダー論でも同じようなことを言っています▼
新R25のライターのモチベーションの保ち方
チームビルディングにも関わってくることですが,渡辺さんのライターへの配慮も一流でした
ライターが書きたくない内容を振るのをやめている。取材がすごい大事だから,「どうやったらこの取材は成功するのか」っていう成功イメージを描いてもらって,それにはどうすればいいのかを元に記事を構成している。単に質問項目を考えてもらうだけだと良い記事がかけない。#朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
しっかりと成功の基準を決めてライターさんにイメージさせる
そしてそこまでの道のりを自分で考えさせて,どういう質問をすれば成功するのかを考えてもらう
成功のイメージを共有することで,ライターさんのモチベーションを保ちつつ良い記事が出来上がってくるそうです
一個の取材においてどういう話が出てきたら成功なのかを,めっちゃ具体的に考える。抽象的なイメージだけじゃなくて具体的なところまで落とし込んで考えておく。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
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新R25渡辺さんが考える臨機応変に動く方法
臨機応変に取材に対応することってすごい難しい…これは経験!なんかあった時に切り替えられるレパートリーを持っておくこと。経験でこれだけの取れ高があればいいんだってことがわかってくるから,その感覚が掴めていくとどっちにいっても面白い記事にできるなって焦らずに思える。#朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
取材をしていると,相手が思い通りに答えてくれなかったり,予想と違う方向に進んでしまうことがよくあるそうです
そういう時に臨機応変にインタビューを進めて行くためにどうやっているのか気になりますよね
渡辺さんは,臨機応変に取材を進めて行くためには経験と直感が大事だと言っていました
ノウハウは特になく,今までの感覚で「こうなったらこう」という成功パターンを地道にストックしていくのが一番だそうです
新R25と他のメディアの違うところ
webメディアのイケてないところは,他メディアにぶら下がってその数を見ていること。そうじゃなくて,自分のメディアだけでソーシャルにどれくらい拡散されているのかを見ている。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
たとえばYahoo!ニュースでトピックであげられてPVがめちゃくちゃ伸びるとしますよね
そしたらそのメディアは「またYahoo!ニュースに取り上げてもらおう」と言ったように,内容よりも掲載させてもらう方に目的がいってしまいます
それを求めすぎると「何が伝えたいんだっけ?」ってなってしまうんです
だから,新R25は「ソーシャル上でどのぐらいの数字が出せるか?」に注目して,自分のメディアとソーシャルでの拡散量に照準をあてて,他のメディアには頼らない方向で目標決めをしているそうです
新R25渡辺さんの将来
ヒットサービスを作りたいという想いは20代のときから変わってない。心は20代のままでガムシャラで走ってる。クリエイティブなものを作るとき効率的にはできないって思ってる。だから今は異常な熱意で仕事に取り組んでる。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
今は著名人に頼ってるけど,今後は著名人じゃない人もやっていきたいと思っている。著名人は取材慣れしてるから極端な切り口が必要。一般人だと,どんだけ取材を頑張っても言語化能力がなくて面白くならない人がいる。事前にこの人喋れるか…というのを調査している。 #朝渋企画
— なまっちゃ (@namatcha_) 2018年6月26日
「国民的なヒットサービスを産む」ことが渡辺さんの目標
大衆的だけど刺さるものを作りたい
この夢を叶えるために視座を高めてくれるのがサイバーエージェントだと思ったから,今もここで働いているそうです
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新R25の記事を企画ベースで見てみると面白いかも
今回のイベントで渡辺さんのお話を聞いて,この記事が完成されるまでにかなり時間がかかっているんだろうなと思いました
人に焦点を当ててるから変な内容は書けない,だからといって守りに入ると誰にも読まれない記事になってしまう
そこのバランスが渡辺さんはすごい上手です
わたしも,以前ブロガー界のトップとも言えるイケハヤさんに対するインタビュー記事を書いたことがあります
企画から記事を書いて拡散するまでに,かなりの時間がかかって
と実感しました
面白くて学びも得られる企画の記事をどんどん生み出す新R25
これからはただの読者ではなく
- どうやって企画したんだろう
- 切り口はどこなんだろう
- 5つの極意のどれを使ってるんだろう
という企画ベースで読んでいこと思います
渡辺さん,視座が上がるようなお話をありがとうございました!
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